capita

時代に似合うCAPITAのフィロソフィー

CAPITAの歴史とブランド解説

圧倒的な存在感と自己表現

「今、最も勢いのあるスノーボードブランドは?」そう聞かれて真っ先に思い浮かぶのがCAPITAです。

ミレニアムイヤーに生まれたCAPITAは、20年という歳月の中でボードの完成度を飛躍的に上げ、ビッグブランドへと成長しました。テクノロジーを駆使したボード作りとエコロジカルな精神、そしてオカルト的世界観。一見、交わることのなさそうなこれらの要素が絶妙に混じり合い、現代のスノーボーダーの自己表現に一役買っているようです。「若者に人気のブランドでしょ?」とCAPITAを敬遠するのはナンセンスです。大人だからといって、シックである必要は無いのですから。

CAPITA

少年ゴコロを刺激するサブカル臭

スカル、宇宙人、サードアイやピラミッド…これは”ムー”の話ではなく、CAPITAの話です。CAPITAのボードに描かれるのは、カウンターカルチャーのアイコンばかり。いつの時代も、神秘的な主義主張や反骨精神が若者の心に響くのはある種当然の事ですが、CAPITAに魅せられているのはZ世代だけではありません。

例えば、30代後半の僕は、エッジーでありながら業界トップレベルのサステナビリティを実現しているCAPITAの二面性に面白さを感じます。エコロジーやオーガニック、環境保全とったキーワードを掲げるブランドの多くは、ナチュラルな素材感を重視したり、クラフト感を打ち出しがち。一方、CAPITAが示すのは大胆で挑発的なスノーボードです。このルックスは自信の証。自然や健康、環境への配慮は、今や注目を集めるPR項目ではなく「当然の条件だ」と訴えかけてきます。

CAPITAの誕生とヒストリー

CAPITA SNOWBOARDSの設立は2000年、ブルー・モンゴメリー(BLUE MONTGOMERY)とジェイソン・ブラウン(JASON BROWN)によって始まりました。彼らは、トップスノーボーダーであると共に、強い影響力を持ったインフルエンサーでした。

ブルー・モンゴメリーは当時26歳。それまでの仕事を辞め、シアトルに家を持ち、そしてジェイソン・ブラウンと共に自宅ガレージでスノーボードブランドを始めます。

ジェイソン・ブラウンは、猛者揃いの1990年代BURTONライダーの中で、特に異彩を放つ個性派でした。レールに飛び乗ったかと思えば、パイプでは特大のマックツイスト、ナチュラルヒットも自在にこなし、プロダクトを自らプロモーションもする。スノーボード業界では誰よりも先に個人のウェブサイトを開設するなど、セルフプロデュース能力にも長けた類まれな存在でした。ジェイソンはBURTONとの契約を円満に終了した後、ビジネスではない純粋なスノーボーディングの為に、ブルー・モンゴメリーとタッグを組んだのです。

ブランド名の由来はPER-CAPITA(1人に対しという意味)。ひとりひとりの異なる個性の為のスノーボードを作る。そんな彼らの信条が込められています。

CAPITA THE BLACK SNOWBOARD OF DEATH

THE BLACK SNOWBOARD OF DEATH

SEVENから受け継がれたフラッグシップ

CAPITAのデビュー作「THE BLACK SNOWBOARD OF DEATH」の背景には、ジェイソン・ブラウンがBURTON時代に残した実績があります。彼は、スノーボードをカテゴライズせず、1本で全てこなせる板を理想としていました。そこで生まれたのがビッグヒットを記録した”BURTON SEVEN”シリーズでした。CAPITA THE BLACK SNOWBOARD OF DEATHもこの思想の延長上にあり、その頃最先端だったスライダーシステム(※)を取り入れて勢いよく発進、BURTONの独走状態だったスノーボード界に風穴を開けました。

※スライダーシステム 1990年代後期、開発が始まったばかりの新システムにFORUM SNOWBOARDSをはじめ、多くのボードブランドが苦戦。BURTONのチャネルは同システムの成功例です。案の定、CAPITA のスライダーシステムも1年で廃止となりましたが、デビュー作のインパクトは十分でした。

MOJANE CAPITA

MOJANEとCAPITA

トップライダーによる新たなスノーボードブランドの誕生は、日本でも話題となりました。この時僕は、MOJANEに通う高校生。CAPITAのフラッグシップモデルTHE BLACK SNOWBOARD OF DEATHに乗る先輩たちが猛烈に格好良かった事を覚えています。当時は、プロをも圧倒する攻撃的なライディングのローカルスノーボーダーがMOJANEを盛り上げていました。好奇心旺盛で、常に新しい物を楽しんでいたMOJANEユーザーが、スライダーシステムに抵抗を持たず、柔軟に受け入れたのは言うまでもありません。

そして現在、CAPITAのデビューを知っている僕ら30代オーバーだけでなく、幼少期からスノーボードに触れている10代、20代の若者まで、幅広い世代のスノーボーダーがCAPITAに熱い視線を注いでいます。 

國母 和宏

KAZUHIRO KOKUBO

CAPITAを彩る面々

CAPITAには、ブルー・モンゴメリーとジェイソン・ブラウンの他にも先進性のあるユニークなライダーが集まりました。

モダンでクリエイティブなライディングを得意とするタイラー・レポアーはCAPITAの未来を担ったヤングガン。バギースタイル一色だったストリートに、長い手足を生かす細身のニュースタイルを打ち出したコーリー・スミスは、後にCAPITAから独立したブランドSPRING BREAKの創設者となりました。

また、USAで絶大な人気を誇っていたダン・ブリーズとの契約は、CAPITAが一時的なブームでは終わらない事を証明しました。X-GAME REAL SNOW(※)のゴールドメダル、VOLCOMとのコラボレーション、話題の映像作品には必ず彼の名がクレジットされていました。驚きとスリルに満ちた命がけのライディングが、CAPITAをメインストリームに押し上げたのです。ダン・ブリーズの功績なしに、CAPITAの発展は有り得なかったと思います。
※X-GAME REAL SNOW 期限内に撮影した映像を基にオンラインで投票するコンペティション

そして2013年、驚きのニュースがスノーボード界を賑わせました。「日本人プロスノーボーダー、国母和宏がCAPITAと契約へ。」
日本のマーケットで最も影響力を持つスノーボーダーであるKAZUの名が入ったボードは、海外でもセールスを伸ばしました。僕たちが海外のトップライダーのシグネイチャーモデルに憧れるのと同様、海外のスノーボーダーもまたKAZUのCAPITAに乗ったのです。この事は、僕ら日本人にとって、特にKAZUの出身地である北海道のスノーボーダーにとって、とても誇らしい出来事でした。

また、それまでコンペとは無縁だったCAPITAにとって、トップコンペティターであるKAZUとの契約は”世界で戦う為のスノーボード”への挑戦でもありました。ボードの強度に問題を抱えていたCAPITAは、ボード作りを根本から見直す必要があったのです。

CAPITA MOTHER SHIP

母船と名付けられたハイテク工場

2015年、CAPITAはライダーや職人達と共に、大きな一歩を踏み出します。それまでの発注先だったELANの工場を買収し、自社のスノーボードファクトリーMOTHER SHIPを設立したのです。最新テクノロジーを駆使した100%ハイドローション。MOTHER SHIPでは、自然エネルギーを最大限に活用し、産業廃棄物のリサイクルにも積極的に取り組む姿勢を固めました。これが、現在のCAPITAになる為の最大の転機となったのではないでしょうか。

自然や健康に害の少ない製造方法・マテリアルを選択しながらも、スノーボードビルドのテクノロジーを進化させたCAPITAは、誰もが認めるトップブランドとなりました。MOTHER SHIPの建設に際して、政府がバックアップを行ったことからも、オーストリアのウィンタースポーツと環境に対する意識の高さが伺えます。

Aito Ito CAPITA

PHOTO BY NAHO MIZUKI

MOTHER SHIPのボード改革

MOTHER SHIP以降のCAPITAは、イメージや個性だけではない、テックでも戦えるスノーボードへと変貌を遂げました。僕の感覚では、ELAN工場時代のボードの難点だった、エッジ側の盛り上がりやダイカットソールの浮き沈みが改良され、ソールもよく走り、ワックスも浸透しやすくなったと感じています。この件に関しては、ハーフパイプコンペティター伊藤藍冬くんが、CAPITAの耐久性の向上を確かめてくれました。記事の後半で彼のレポートを掲載します。 

僕たち一般スノーボーダーにとって、耐久性はボード選びの重要項目です。CAPITAのボードの弱さは年々改善されていますが、モデルによっては未だその問題を抱え続けています。

MOJANEユーザーの平均的な使用頻度(1シーズン30日間)を基準に比較すると、BURTONではどのモデルも確実に3年使えるとしたら、CAPITAのボードが良い状態を保てる期間は半分程度。気に入ったボードを長期間大切に乗り続けようとした時、BURTONは乗る人に馴染み扱いやすくなっていくのに対し、CAPITAの乗り心地は鈍っていくという印象があります。ユーザーは、全てのCAPITAボードが今以上に丈夫で良い状態が続くようになることを期待しています。

ZOE CAPITA

CAPITAというムーブメント

2018年の平昌オリンピックで、オーストラリア代表スコッティ・ジェームス(SCOTTY JAMES)がCAPITAのボードで銅メダルを勝ち取ったことは記憶に新しいところです。彼はCAPITAのロゴが埋め込まれたブラックボードに乗っていましたが、CAPITAとのスポンサー契約は結んでいません。また、ソチオリンピックのゴールドメダリスト、セージ・コッツェンバーグ(SAGE KOTSENBURG)もプライベートではMOTHER SHIPのスノーボードに乗っています。

長い間、トップライダーの生命線は、スノーボードブランドとのスポンサー契約でした。選手のキャリアだけではなく、広告塔として、開発者として、テストライダーとして、双方は密接な関係にありましたが、時代の流れと共に、選手自身がより多くの選択肢の中から自分に合ったボードを探し求めるようになりました。また、契約上の制約に縛られず、思うままに活動したいというライダーも増えています。

それを実現させたのが、スノーボード以外の大手企業によるスポンサードです。例えば、RED BULLやMONSTER ENAGYといった飲料メーカー、TOYOTA、AUDI、MICHELIN、FALKENなどの車両・タイヤメーカー、G-SHOCKやSEIKOといった時計ブランドです。こうした企業からのサポートを受けられるようになったのは、ストリートから生まれたマイナースポーツだったスノーボードが、競技人口を増やし、メジャースポーツに近付いてきた証かも知れません。

選手の環境を優先する為に、スポンサーのあり方も変化しています。CAPITAは、そんな新たな動きにも柔軟に対応し、自由な道具選びを快諾することで、個性と才能を併せ持った若いスノーボーダーを成長させているように感じます。

capita

EVERYTHING IS POSSIBLE

おおよそ20年前、「個性派」という言葉で片付けられていた若者たちは、それぞれのキャラクターを認め合い、個々の才能を生かすことで、いつの間にか粒ぞろいのプロフェッショナルとなりました。その極意は、公式サイトに見ることが出来ます。

Snowboarding is a beautiful thing.
It is what we love most, and we want it to exist for generations ahead. Our hopes for the future include an environment where endless smiles and fist-bumps are tied to consistent snowfall and maximum air time. You know that moment in any snowboard video where a dude does some crazy move and the homeys rush in with hi-fives and hugs? That’s what we’re talking about. We want more of that feeling. It’s about shredding with good friends, embracing the might and magic of winter – and we want to make more responsible decisions to help protect that moment for all of us.
スノーボーディングは美しい。我々は心からスノーボーディングを愛し、次なる世代へとこのカルチャーを残していきたい。降り止む事の無い雪が絶え間ない笑顔とハイファイヴをもたらしてくれる、そんな未来が訪れる事を望んでいる。ほら、ビデオの中でプロ達が仲間とハイファイブを交わし、ガッチリとハグをしあう場面があるだろう?そう、そんな感じの未来だ。それがこの先も続いてくれると嬉しい。仲間と滑り、冬の魔力にのめり込む。そしてその瞬間をこの先ももたらす為に、我々はより責任のある判断が必要とされるのだ。
CAPITA公式サイトより

CAPITAのサクセスストーリーは、今、仲間と共にスノーボードに熱中している若い世代に夢と勇気を与えています。スノーボード界の新時代を牽引し、次のスタンダードを作っていくにはCAPITAの力が必要です。決してパークボードブランドではなく、パウダーボードブランドでもない。オールマウンテン・フリースタイルスノーボード、それがCAPITAです。これからもユーザーを唸らせ、驚かせるような進化を続けて欲しいと願っています。

CAPITA

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Categories : SNOWBOARD
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