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平山 雅一

全ては、スノーボーディングの為に。
平山 雅一の飽くなき探求心

THE CAST FILE NO.05 平山 雅一

2018-19の平山チョイスは4点セット?

moro : 平山くんの今シーズンのセットアップ(BURTON CUSTOM X,UNION FALCORE ,DEELUXE DEEMON )は、MOJANEとしても注目しています。スノーボード界全体にBURTONにはBURTON、CAPITAには UNION というボード×バインディングの筋書きができている中で、BURTONにUNIONを乗せるという選択は、新時代の予感がします。この組み合わせは邪道かなと迷っている間に、平山君は抵抗を持たずにどんどん試していきますよね。今期の平山君のチョイスの理由と狙いを教えてください。

hirayama : 僕の選び方は直感ではなく熟考型で、一応自分の中にセオリー的なものはあるんですよ。各アイテムから説明すると、まずCUSTOM Xはメインで使っていた10年前のキャンバーを新調したという感覚です。今期のCUSTOM Xは、従来の持ち味+より動かせる僕好みの仕上がりだったという事と、ソール(WFOシンタード)で選びました。去年までのCUSTOM Xなら今年のPROSESSを選んだと思います。DEELUXEのブーツは、しばらく使っていなかったので試したいという好奇心です。残念ながらブーツは買わないと試せないですからね。末端冷え性なので、暖かいという評価も聞いているので、期待しています。そして、今年はなんと言ってもUNION FALCOREが気に入ったんですよ。シェルや全体のボリュームを考えるとFALCOREにバッチリ合うブーツの候補はやはりDEELUXEだ、という経緯です。

BURTON CUSTOM X 2019
BURTON CUSTOM X
UNION FALCORE
UNION FALCORE
DEELUXE DEEMON TF
DEELUXE DEEMON TF

hirayama : 更に厳密に言うと、ボード、バインディング、ブーツの3点ではなく、モロさんのチューンナップを加えた4点セットで考えています。最近は取り回しが良くしっかり噛む板に乗りたいと思っていて、その組み合わせが難しかったんですけど、CUSTOM Xを試乗した時に、モロさんのチューンナップをイメージして、FALCOREで行けるなっていう感覚がありました。普通のチューンナップなら僕には難しい組み合わせです。MOJANEのチューンナップ抜きで選ぶなら、FALCOREではなくULTRA LTDになっていたと思います。

 僕が滑るフィールドのメインは、大きいゲレンデで良い雪の日が多いんです。前日に降雪が無くても北海道のグルーミングバーンは柔らかいじゃないですか。そうするとCUSTOM Xの定石とされているXBASEやCARTELっていうのは自分の滑る範囲ではオーバースペックだと思うんです。そこまで固める必要はないし、僕が求めるプレイフルな仕様にしたいと思った時に、UNION FALCOREを付けることによって動けるCUSTOM Xが更に動かせる板になる。どちらもレスポンスが良いですから。NOWに比べると自由度が高い分、助けてくれる部分の無い難しいビンディングだと思うんですけど、そうなったときにモロさんのチューンナップが補ってくれるんですね。それがこの4点セットに集約されているんです。

moro : チューンナップ次第でギア並みの違いが生まれることは僕も実感していますが、4点セットという発想はとても嬉しい意見です。エッジ次第で、道具選びも大きく変わっていくという事ですね。組み合わせで悩んでいる方にとって、チューンナップが解決の糸口になるかも知れませんね。

平山 雅一

全ての持ち物を活かすギア選び

hirayama : 僕の場合、長期的な目線でギアを選んでいて、今期選んだボードとバインディングも、必ずしも1つのセットアップとして考えていません。TPOに合わせて組み替えることを前提にしていて、限られた予算と自分の持ち物の中でいかに追加するギアが生きるか、色んな使い方が出来るか、といったマッチングを常に考えています。例えば、雪が締まったナイターでエッジを効かせたいならCUSTOM XにNOWを付けるし、場合によってはBURTON CO2を付けるイメージも出来ています。予算がある人なら、ここはXBASEになるのかもしれないですけどね(笑)。

moro : なるほど、シチュエーションやコンディションに合わせてワードローブの中から最適なコーディネイトを使うということですね。となると、このFALCOREがトリックポニーに乗ることも?

hirayama : もちろん、その可能性も十分あります。実際に試乗しましたが、トリックポニーとの相性は良かったです。それと、FALCOREはパークで遊ぶ上級者にはもちろん良いと思うんですけど、実はパウダーで乗る人にとっても凄く良いと思うんですよね。だから、シーズン通してみると、トリックポニーやYES.20/20に付けることも多くなると予想しています。

moro : 新しいギアを追加して、今の持ち物に新たに息を吹き込むようなイメージですね。スノーボードを始める際に購入したまま、ビンディングをつけっぱなしている人も多いじゃないですか。スノーボードの乗り心地に飽きてきたという人は是非、ビンディングを乗せ換えたりスタンスを調整したり、一歩踏み込んでみて欲しいです。

平山 雅一

CUSTOM Xが簡単な板に変わる!?

hirayama : モロさん、CUSTOM Xに関して夢のある話がありますよ。CUSTOM Xって凄く良い板なんですけど、コンペやカービング的な要素が強くて閉塞感もあるじゃないですか。しかもオーバースペックになりがちで。でも実は、バインディング次第でCUSTOM Xを簡単にすることも、更に動かせるようにも出来るんです。

moro : 確かに、この板にはこのバインっていう定説がライディングの幅を狭めているかも知れません。CUSTOM XにCARTELやMALAVITA、知識や情報が少ないとこの組み合わせが正解なんだって思って終わっちゃうし、お店も無難なセットアップを進めてしまいがちですから。そういった意味で、平山君の組み合わせは参考になります。ダウングレードじゃないですけど、ビンディングを自分のイメージに近づける為のアダプタとして捉えているんですね。

hirayama : UNIONはCUSTOM Xのスペックをカバーできるビンディングだと思うんです。CUSTOM XとFALCOREの組み合わせは、CUSTOM X FVのような操作性とキャンバーの良さも活かすセットアップのイメージです。僕の持っているビンディングで言うと、これをNOWに変えることで、昨季までのような皆がイメージするXになったり、これをCO2に変えると本来メーカーの狙っているXになると思います。

moro : それは面白い!30代以上のスノーボーダーは、CUSTOM Xに乗りたい人が圧倒的に多いんです。憧れの的でしたからね。いつか乗りたいっていう気持ちに応えて開発されたFVもありますが、やはりキャンバーのXなんですよ。板だけでなくバインディングやチューンナップまで含めると、もっとパーソナルな要望に応えていくことが出来るし、もちろん従来のイメージ通りのCUSTOM Xにもできる。板の特徴をピンポイントで引き出せるかも知れません。

hirayama : 僕は、CUSTOM Xに憧れを抱いていた人に、チョイスによっては乗り易くて面白いものになるんだよっていうところで、少しでも乗るきっかけを作れたら面白いなって思っています。今ビンディングが凄く優秀な時代になってきたし、チューンナップでもこんなに変わることが分かってきた。本当の意味でのオールラウンドボードって存在しないとは思うんですけど、バインディングやブーツ、チューンナップによって、その時々の条件に対応できるようなCUSTOM Xを自分なりに作っていきたいと思っているんです。

平山 雅一

ユーザーが願う試乗会の在り方

moro : 平山くんがスノーボードを始めて20年以上経ちますが、ブランドやギアだけでなくショップやシーン全体も大きく変化しました。今、ユーザーとして思う事はありますか?

hirayama : エンドユーザーとしての切実な意見は、もっと試乗する機会が必要だということです。日程も予定もコンディションも限られた試乗会で1本のボードを選ぶことは、実際に難しいですよね。本当に良いもの、自分に合う物を探したいと考えている人にとって、レンタルや予約制や有料だとしても、じっくり試せる場が足りていないと思います。それと、ボードとビンディングは試せるけど、ブーツは試せない。成型が必要なものもあるので、難しいとは思いますが、大まかなサンプルを試せるだけでも僕たちは嬉しいんですよね。

moro : 確かに、スノーボードをする上で最も重要なアイテムが試せないのが現状です。店頭での試着だけでなく、1ライディングでも試すことが出来たら、よりパーソナリティに合った道具を提案することができますよね。販売する側としてとても重みがある意見です。

hirayama : ブーツは履いて滑ってみるまで分からないので、懸けみたいな物選びになっちゃうんですよね。もしサンプルブーツがあったとして、それを皆がテストしてヘタってしまったとしても、一般ユーザーはヘタった状態で履いている時間の方が圧倒的に長いですから、どれもリアルな使用感だと思うんです。そういった点も含みで、試せる機会を増やして欲しいです。車の様に試乗して買える事が理想です。

moro : 乗り物を選ぶという点では、額は違えど車選びと程遠くない感覚があると思います。家電やオーディオ、カメラなど、他の趣向品に比べても、スノーボードギアは極端にユーザーズレビューが少なくて、ブランドが用意した言葉に頼り切り、といった場面もよく見かけます。詳しい人は決して少なくないのに情報が留まってしまっている、物選びを難しくしているのはそこだと思うんですよね。

hirayama : 例えばオリンピックでライダーが使用していたボードや有名ライダーのシグネイチャーボードには、皆が注目しますけど、実際にそれが僕ら一般ユーザーにとって良いボードかというと、必ずしもそうではない。一般ユーザーは目も肥えているし感覚も鋭いから、乗る機会さえ増えれば反響は当然大きくなるし、結果的に良い物に注目が集まるようになると思うんです。ユーザーに歩み寄るフットワークの軽いメーカーが出てくることに期待しています。

moro : そうですね。ビッグブランドやスノーボード業界を相手に、MOJANEのような小さなお店が影響力を持つなんて到底考えていませんが、このお店に並ぶアイテムは自信を持ってお勧めできるものを揃えていたいと思うんです。例えば大手で廃版になってしまうような板でも、カスタムメイドが可能なOFFSHORE SNOWSHAPESなら、欲しい板を再現して更に面白いアイディアを加えてくれるかもしれない。スノーボーダーひとりひとりのニーズに応えていけるようなお店づくりを目指したいです。

hirayama : まさに!今楽しんでレビューを引き受けているのも、そういったMOJANEの考えや追究心に共感しているからです。自分のレビューが活きている実感もあります。モロさんには、スノーボードショップのオーナーである前にスノーボーダーであり続けて欲しいですし、チューンナップを含めて、ユーザーにとって唯一無二のセットアップを提供し続けて欲しいと思っています。そういう場所にはスノーボードに対して熱い人たちが集まってくるんですよね。クラッシックのメンバーが集まったように(笑)。そういった人たちを満たしてくれるようなショップであり続けて欲しいと願っています。僕はトリックポニーが廃版になっちゃった事がとても残念で。凄く良い板だったんですよ。ただ、「スイッチでもパウダーでジャンプをして、どんどんトリックを仕掛けていこう」っていうトリックポニーのようなボードの需要があるかと言うと、やはり少ないんですよね。良い板でもニーズが無ければ廃版になっちゃいますよね。沢山のレビューを見て、比較して、挑戦して、スノーボードに熱中する人がもっともっと増えれば、僕の求めるような板も廃版にならなくなるんじゃないかっていう期待感もあります。そういう意味でも、皆に良い板を選んでもらいたいと思うんです。

平山 雅一

チューンナップの可能性

moro : チューンナップに関してはどうでしょう、昨シーズンからは特にエッジに注目したテストを繰り返しましたね。MOJANEとしても手ごたえを感じています。

hirayama : エッジは昨シーズンの取り組みの成果が出てきて、ワックスのチョイスも良い所まで来ている、次に追求できるんじゃないかなって思うところがソールです。エッジでこれだけ変わるっていうのが分かったので、次はソールも色んな解釈で手を加えていければ、それこそ1本の板で色々なシチュエーションをカバーできるようになるかも知れませんよね。エッジ、ワックス、ソールをこのまま追求していけば、スーパーチューンナップになるんじゃないかと期待しています。

moro : 次はとにかく走るソールですね。ソールの縦横の滑りが変化すれば、エッジの角度ももっと変わってくると思うんです。因みに今期CAPITAのボードでソールのチューンナップの実験中です。元々、1本の板を使って技術で遊び倒していた1990-2000年代から、様々なタイプの板を持つ時代になり、ここから本当の意味での1本で様々なコンディションに対応して遊べる板っていうのが叶うのかもしれません。それが実現すると、物を多く持たずにコンパクトに暮らすという時代の流れにもフィットするのかも知れません。

平山 雅一

ビギナーに向けてのメッセージ

moro : ゲレンデでは平山君の滑りに注目が集まります。平山君の様に滑りたいと思っている若手も多いです。もっと上手くなりたい!というスノーボードビギナーに向けて、上達のコツやメッセージはありますか?

hirayama : とにかく楽しむことですよね。もちろん基礎は大事だけど、感性を信じて欲しいです。テク戦やビックコンペを目指すならメソッドが正解かも知れないですけど、スノーボードの楽しさはもっと深いところにあると思います。環境や常識に左右されずに、心が喜ぶ方法をチョイスして欲しいです。楽しいとそれだけたくさん滑るし、続くし、メンタルも保てる。仲間が増える、結果、上達していきますからね。

平山 雅一

まだまだ続くスノーボーディング

moro : 最後の質問です。平山君にとってスノーボードとは?

hirayama : 自分そのものです。スノーボードによって性格も人生観も変わりました。初めて滑った日からずっとライフワークの中心にあるものです。皆で楽しく滑れて、帰りの車内で「今日良かったなー!」って思って、お風呂上がりのビール一杯。最高じゃないですか。


平山 雅一
平山 雅一 Masaichi Hirayama
1982年生 / 174㎝ / 65㎏ /レギュラースタンス
パウダー、ジャンプ、カービング、グラトリ、ボーダーレスに全てをリンクさせた滑りが好きです。
好きなライダー:ニコラスミューラー, マークランドビック, エーロエッタラ
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Categories : SNOWBOARD
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