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スノーボードのセッティング|フリースタイル編

フリースタイルの基本、ダックスタンスを検証 

フリースタイルセッティングの基礎知識

常に一方の足を前に置いて進むスノーボードは、人それぞれに乗り易いスタンス幅や角度があります。その数値は、スノーボードとバインディングを取り付ける際に行う”セッティング”で設定します。

当ブログでは、これまでにセッティングの基本と、カービングに適したセッティングをご紹介してきました。

今回は、パークやキッカーでダイナミックに遊ぶ、”フリースタイル スノーボーディング”の為のセッティングを解説します。

フリースタイルボードとは?

パークへ向かうスノーボーダーたち

スノーボードは、大まかに3種に分類されます。まず1つはカービングをメインとした「アルペンボード」、もう1つはパウダースノーを楽しむ為に生まれた「パウダーボード」、そしてスノーボードの原点であり、スケートボードやサーフィンの影響を受けながら進化を続ける「フリースタイルボード」です。

フリースタイルボードの特徴は、左右の性能が均等であること。進行方向を自在に変えられるので、より自由度の高い動きが表現できます。

ストリート感溢れる若者文化だったフリースタイルスノーボーディングは、やがてハーフパイプやスロープスタイル、ビッグエアといった競技スポーツへと枝分かれし、オリンピック種目にまで発展を遂げました。それでもフリースタイルは今も変わらず、感じたまま、思うままにパフォーマンスを繰り広げるのが「正解」です。

山本君のギアとスタンス

フリースタイルに適したボード形状として知られているのがTWIN TIP(ツインチップ)やDIRECTIONAL(ディレクショナル)ですが、この中で更にいくつかの種類に分けられます。

フリースタイル度の高い形状から順に、TRUE TWIN>TWIN DIRECTIONAL>DIRECTIONAL TWIN>DIRECTIONALと並びます。どういった動きがしたいのか、どんな遊び場をメインにすのるか。自分のスタイルに応じたボードを選ぶ事でパフォーマンスが上がります。

フリースタイルボードの種類

TRUE TWIN(トゥルーツイン)
レギュラーもスイッチも、両スタンスで滑りたい人にオススメ。ノーズとテールとが同じ形状で、ボードの作りやフレックスといった性能も左右均一。

TWIN DIRECTIONAL(ツインディレクショナル)
TRUE TWINよりフリーランが得意。ノーズとテールとが同じ形状で、ノーズよりテールのフレックスが硬い。

DIRECTIONAL TWIN(ディレクショナルツイン)
どんな動きにも対応できてスピードに強い。ノーズがテールよりもやや大きく、フレックスはノーズとテールが均一。

DIRECTIONAL(ディレクショナル)
メインスタンスオンリーで滑るボード。ノーズがテールよりもやや大きく、テールのフレックスが硬い(この延長線上にPOWDER BOARDがあります)。

フリースタイル=ダックスタンスの理由

ボックスで遊ぶ谷くん

フリースタイルボードのセッティングは、両足のつま先を外側に向けたダックスタンスが基本です。その理由は、左右どちらを進行方向にしてもポジションが取りやすく、進行方向を入れ替える”スイッチ”に有利だから。

ツインチップボードが生まれたのは1987年頃。それまでのスノーボードは、進行方向が一方向に決まっているディレクショナルタイプが中心でした。

ツインチップ誕生後も、ディレクショナルボードがメインストリームとなっていましたが、90年代に入るとスケートボーダーの影響を受けたニュースクール時代が到来。それに伴い、ツインチップボードに注目が集まり勢いが増していきます。

そしてスティンキースタイル(ダックスタンスの古称)を提げたジェイミー・リンの登場で、フリースタイルの主流はダッグスタンスへと移行していきました。

ダックスタンスの語源は、アヒル(DUCK)のこと。アヒルのようなつま先の方向をイメージしながら、自分に合ったセッティングを探ってみましょう。

皆のフリースタイルセッティング

この日のメンバー谷君、藤森君、山本君

今回は、フリースタイルを得意とするMOJANEユーザーのセッティングとライディングを検証しました。3月の手稲ハイランドのパークに集まったメンバーは谷君(30代)、藤森君(30代)、山本くん(20代)の3名。僕、諸橋は、普段パークで遊ぶ機会が少ないので、彼らにリードしてもらいます。


谷 浩一くんのライディング
谷 浩一 Koichi Tani

「BURTONのTHE CHANNELが登場したおかげで、細かいことを気にせず感覚的にセッティングができるようになった。 角度は何度とか、幅は何センチとかではなく、レール上で自由に設定できるので、乗って動かして、良いと思ったところで取り付けるだけです。」


藤森 達郎くんのライディング
藤森 達郎 Tatsuro Fujimori

「スタンス幅は、その場でジャンプすると決めやすいです。スノーボーディングをイメージしながら飛んで着地すると足幅はだいたい肩幅くらいになりますが、僕はそのナチュラル感を大切にしています。そのあとにアングルを微調整。 右足−9°左足12°スタンス幅56cm 、今のスタンスに到達するまで滑り込みました。」


 山本 高平くんのライディング
山本 高平 Kohei Yamamoto

「もともとダッグスタンスでしたが、スイッチ着地やスイッチで滑ることも多いので、今は後ろ足のを開き気味でセッティングしています。 右足12°,左足-15〜18°スタンス幅は53cmです。このままカービングもやります。膝はやっぱり入れにくいけれど、スイッチでもカービングできるのが楽しいです。」


諸橋正太のライディング
諸橋 正太 Shota Morohashi

「僕は、その日のメンバーやコンディションに合わせてボードやセッティングを変えて楽しんでいます。フリースタイルボードで遊ぶときは、左足18°、右足−6°スタンス幅は54cmのセッティングを取ります(レギュラースタンス)。ボードのエッジに対して垂直に乗ることを心がけています。」

御覧の通り、同じダックスタンスでもセッティングに対する考えは人それぞれ。ですが、彼らのライディングを実際に見ると、確かにどれも理にかなっているようです。

ダックスタンスは、キッカーでのアプローチや、空中姿勢でのグラブ、着地といったジャンプの一連の動きに対して、自然なモーションが取れています。また、ボックスやレール、ジビングといったアイテムを攻略するのにも、トリックを仕掛け易い自然なスタンスです。スケートボードでオーリーをかける時の姿勢に近いものがあります。

ラスト2本はみんなでカービング

ダックスタンスでもカービングはできる?

山本くんのセッティングは、後ろ足の方をより開いたオリジナルのダッグスタンス。これは、スイッチでもカービングを楽しむ為のアイディアです。

僕自身は極端なダックではありませんが、通常のセッティング(24°,3°)と比較すると、フリースタイル向けのセッティング(18° −6°)では、スイッチスタンスでのライディングが安定しました。

フリースタイルに適したスノーボードギア

藤森くんのセットアップ

スノーボードキャリアが長く、自分だけのスタイルを持った今回のメンバー。彼らの愛用する道具を見ると、バインディングはハードすぎず、柔らかすぎず、硬すぎず、かつホールドがしっかりしているモノが好まれていることが分かります。

谷浩一くんのコーディネート
BURTON FREETHINKER × UNION CONTACT PRO
山本高平くんのコーディネート
BURTON FREETHINKER × BURTON MALAVITA
藤森達郎くんのコーディネート
OFSR HALF BAKED × UNION TEAM FORCE

トリックを仕掛けながらライディングを行うフリースタイルでは、ホールド感も必要ですが、時にそのホールド感が邪魔になります。ビンディングブランド各社は、いかにバランスの取れたギアを作るかが試され、対応性・機能性が見せ所です。

春パークで自分のセッティングを見つけよう!

春のテイネでパークセッション

ザクザクした春雪は、転んでもダメージが少ないので、これまで挑戦できなかったキッカーやアイテムで遊んでみるチャンスです。

パークの遊び方は、決められたコースに沿って滑るだけではありません。キッカーが大き過ぎると感じたら、キッカー横のバンクを使ったり、オリジナルの遊び方で楽しみましょう。※パークに入る際はルールとマナーを守りましょう。

ライディングスタイルによって大まかなセッティングの基本はありますが、自分に合った数値は、調整と滑り込みの繰り返しで見つけていくものです。新しい動きを取る中で、今のセッティングに違和感を感じたり、セッティングがフィットしていることを実感したり。新たな発見があるかも知れません。

藤森くん(左)、山本くん(中)、谷くん(右)
藤森くん(左)、山本くん(中)、谷くん(右)
ご協力ありがとうございました。

自分に合ったセッティングが分からない、という方はお気軽にご来店ください。MOJANEでボード、ブーツ、ビンディングのいずれかをお買い上げ頂いた方には、セッティングを無料で行っています。セッティングのみをご希望の場合は¥3.000+TAXで承ります。

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