REVIEWバートンブーツビンディング2019-2020ステップオン

STEP ON|19-20新作解説と2年間のレビュー

2019-2020 BURTON STEP ONを徹底解剖

単品での発売開始、3代目STEP ON

踏み込むだけで装着完了。ワンタッチで滑り始められる新たなビンディングシステムBURTON STEP ON(ステップオン)が登場したのは、2017年秋のことでした。注目を浴びた初号機から早2年、いよいよ3代目がリリースされようとしています。

先シーズンまではブーツとビンディングのセット販売のみでしたが、今期より単品販売が解禁となります。

発売日は2019年11月4日(月)、待ちわびていた方も、迷っている方も、是非最新STEP ONをチェックしてください。

新たにSWATHが仲間入り

BURTON SWATH STEP ON
SWATH STEP ON

新作STEP ONの中から、一足早く2019年9月30日(月)に発売されるニューモデルがSWATH(スワッス)です。このモデルは、「ステップオンでもスケートライクな滑り心地を」というBURTONの次なる挑戦です。

アウターの素材はSL-Xと同じウルトラウーヴン、足の甲とスネの部分を別々に締められるダブルボア仕様(余談ですが、SWATHの登場により”SL-X BOA”の登場を予感してしまいました)。

軽さと柔軟性が特徴のSWATHは、まるでスニーカーの様に軽やかですが、柔らかいブーツの可動域にSTEP ONビンディングがどう対応するのかに注目しています。

STEP ON 19-20モデル

19-20版のラインナップとポイント

さて、気になる新作2019-2020シーズンのSTEP ONについて解説していきましょう。

今年のSTEP ONは、ビンディング1型と専用ブーツ4型が用意されています(通常のブーツやビンディングとの互換性はありませんのでご注意を)。

ブーツは3万円台から6万円台まで、価格帯も幅広く様々なレベルに対応しています。今回発売されるモデルから、ブーツとビンディングはそれぞれ単品購入が可能になります。これにより、ブーツ1足とビンディング2つというご要望にも応えられるようになりました。

STEP ONを初め使われる方の多くは、PHOTONかIONで迷うところですが、是非PHOTON STEP ONからスタートしてみてください。STEP ONに必要なホールド感、ブーツの耐久性、安心感が備わっています。

因みに、僕は今回IONを選びました。STEP ONが持つレスポンスの速さにフォーカスして、ION STEPON x HOME TOWN HEROまたはCUSTOM-X FVというセットアップを試そうと計画中です。


STEP ON BINDING
STEP ON BINDING¥42.000+TAX
PHOTON STRP ON 19-20
PHOTON STEP ON¥52.000+TAX

STEP ONのフラッグシップモデルのブーツです。ブーツに装着されたアンクルストラップでフィットを自在に操ることが出来ます。柔らかくも、硬くもない、最もニュートラルなモデルです。初めてのSTEP ONなら、まずPHOTONをチェックしましょう。


ION STEP ON 19-20
ION STEP ON¥62.000+TAX

2018-2019シーズンにデビューしたハイエンドモデル、JAKE BURTONの肝入りブーツです。スピードゾーンレーシングのIONとSTEP ONを組み合わせる意味はあるのだろうかという疑問を持っていましたが、2019-2020シーズンはMOJANEのラインナップにも加わります。硬くてパワーのあるIONがどの様に反応するのかが楽しみです。


SWATH STEP ON19-20
¥49.000+TAX

今年の新顔SWATHは、柔らかいブーツを好む方にオススメです。ビンディングのクリート部とのフィッティングに若干不安が残りますが、新たな使用感でSTEP ONの視界を広げてくれるはずです。


RULER STEP ON¥39.000+TAX

PHOTON STEP ONと同時にデビューしたシングルボア。STEP ONを最も低価格で始められるセットアップとなります。デビュー作2018-2019モデルのRULER STEP ONの乗り心地はとても良かったと思うのですが、少し変わってしまったようです。個人的には当時の作りに戻して欲しいと願っています。

STEP ON対ストラップバイン

STEP ON × ONE HITTER

耐久性はどちらも同じ

STEP ONの発売以来、最も多い質問は耐久性に関して。ここで僕が断言できるのは、同価格帯のストラップバインディングよりも弱い点は1つもない、ということです。

初代モデルでは、RULER STEP ON(8.5)のリコールや、一部パーツ(クリート)の不具合がありましたが、すぐにアップデートされました。

それ以降製品のトラブルは発生していませんのでご安心下さい。とはいえ、20-30mものビッグジャンプを想定したプロダクトではありません。あしからず。

試乗会での様子

満足度は使い方次第

「ストラップバインとSTEP ON、どっちが優秀だと思いますか?」というお問い合わせも少なくありませんが、その答えはユーザーのパーソナリティ次第。両者、全く異なるコンセプトだからです。

STEP ONは、あらゆるレベルのスノーボーダーに対応していますが、全てのシチュエーションに適しているとは言えません。

これまでスタンダードだったストラップバインディングは、スノーボードの誕生と共に、様々なブランドが思いつく限りのテーマで開発を続けてきました。特定の機能に優れたモデルや個性派も多く、自分好みの使用感を追求することが出来ます。

僕はSTEP ONを使ってみて、ストラップバインの特徴を今まで以上に明確に感じるようになり、バインディングの面白さを再発見しました。まだまだ使えるストラップバインをお持ちの方がSTEP ONを取り入れるなら、行先やメンバーに合わせてバインディングを選択することで、ストレスフリーの便利なスノーボーディングが楽しめます。

もしも、これからスノーボードを始めようとしているなら、あるいは、長いブランクを経てスノーボードを再開しようとしているなら、僕は迷わずSTEP ONをお勧めします。

ギアとの相性や好みが分かれるストラップバインディングは、スノーボードそのものに慣れてからでも遅くないからです。そして何より、身軽でスマートなスノーボードスタイルをお望みなら、STEP ONを選んで失敗はありません。


緊急時の着脱について

STEP ONとストラップバインディングに、使用感で優劣を付けることは出来ませんが、緊急時について一つ思う事があります。

ケースとしては希ですが、事故や怪我、雪崩といったトラブルが起き、即座にボードを外さなければならない場面では、ストラップバインの方が外すスピードが断然早く、自分以外の誰かに外してもらうことも容易です。

STEP ONの場合は、手でレバーを上げてロックを解除した後、足首を少しねじるようにスライドさせてフロントで固定している爪を外します。STEP ONの着脱の動作は、足元が踏める場所ならとても簡単ですが、不安定な場所ではコツが必要です。


STEP ON使用例

僕は、行先と目的に応じてSTEP ONとストラップバインディングを使い分けています。例えば、コース案内やカメラワーク、ボードのテスト等、バインディングの着脱回数が多い日は、迷わずSTEP ON。
特に、トラバースの多いゲレンデや撮影時の作業効率が飛躍的に上がりました。

以前のSTEP ONレビューでもシーン別の使用についてご紹介しています。

僕の場合は、仕事としてのスノーボーディングでSTEP ONを活用していますが、一般的にはリフトに乗る回数が多い小~中規模ゲレンデをメインに行く人、お子様とゲレンデで過ごす人、幅広いレベルのレッスンを行うスノーボードインストラクターのみなさんにとっても、必ずメリットがあるはずです。

また、無駄のないシンプルなルックスも特徴で、ハイバックを折りたたむと厚み10㎝というスマート仕様。ミニマル志向のスノーボーダーにもお勧めです。

パウダー重視ならストラップバインを

STEP ON試乗の様子

毎週欠かさずスノーボードへ行くハードユーザーにとって、北海道の長い冬をSTEP ON1つで乗り切るには、やはり不安がつきまといます。

深いパウダーをメインに滑る人、ハードなライディングに没頭したい人、繊細なフィット感を大切にしている人は、STEP ONだけでは事が足りないかも知れません。

特に不便を感じたのは、深いパウダーでの装着です。STEP ONはつま先と踵を順に踏んで装着しますので、ふかふかのパウダーでは十分に踏み込めず、2段階あるヒールクリートがレベル1(トラバースモード)のまま、なかなかレベル2に達しません。

即、装着可能なはずのSTEP ONに手こずって仲間を待たせるなんて、本末転倒。底当たりの無いパウダーデイはストラップバインをお勧めします。

STEP ONユーザーズレビュー

諸橋のSTEP ONレビュー

OFSR × STEPON 諸橋正太

僕は普段、SL-Xにやや硬めのビンディングを合わせています。STEP ONではPHOTONを選びました。2シーズンの間、ミディアムフレックスを中心に色々なボードに乗せて使用感をチェックしました。

ストラップが無いことで、使い初めは甲部分のフィッティングに寂しさがありましたが、パウダー、沢、ツリーラン、グルームバーン、ゲレンデ内のどこに行っても問題はありませんでした。ターンからターンへの切り返しスピードも申し分なく、プレス、ボーンアウト、足首を使った操作にも違和感はありません。

乗り心地としては、ボードに直接ブーツを付けているような感覚で、通常のビンディングで乗った時よりもボードが軽く感じられました。

クセが無く、ボードの性格がダイレクトに伝わってくるので、ボード比較にも最適だと思います。今後も色々なボードで試していく中で、これらの性質が抜群にハマるボードを見つけたいと思っています。

気になった点は、トラバース中のタイトなツリーランでの事。既に踏まれている雪面を細かく切替しながら滑っていくと、足元からカチカチと音が聞こえてきました。どうやらクリートの爪が接合部の中で左右に当たっているらしいのです。

この音は不具合によるものではなく、故障の原因にもならないそうですが、不安に思う方もいるかも知れません(柔らかい雪上では音は鳴りませんでした)。

また、同様の場所では、ストラップバインの方が地形をなぞって滑れるように感じました。例えば、ニセコモイワの見返りの沢、キロロの一番大きな沢のトラバースラインです。ただ、通常のビンディングではストップし易い場所なので、ストラップ着脱の手間が省けるだけで楽ではありました。

STEP ONユーザーの声

MOJANEには10~50代まで、幅広い世代のSTEP ONユーザーがいます。

特にSTEP ONに関しては、新しいものに敏感な方、目的に合う方にお勧めしているので良いレビューを頂くことが多いのですが、その中からいくつかご紹介します。


「10年ぶりにスノーボードギアを一新しました。今まで使ってきたギアは何だったんだろう?と思ってしまうほど、身軽で簡単。足も痛くなく、操作しやすいと感じています。(40代男性) 」

「とても満足しています。もうストラップバインディングに戻れないかも。(20代男性)」

「面(ソール)で滑ることを意識している自分にとっては苦手な乗り心地でした。子供と一緒に滑るときに使います。(40代男性)」

「友達のSTEP ONを見て、影響されて買いました。リフト周辺の動きがスムーズで、小さなゲレンデが楽しくなりました。(20代男性)」

「膝を使う前にエッジが入ってしまうので、コントロールが難しかった。でも見た目がお洒落なので気に入っています。(50代男性)」

原型”STEP IN”とSTEP ONの今後

BURTON STEP IN
BURTON STEP IN(廃版)

僕を含め、30代後半~先輩世代は、この新システムに抵抗を持っている方が多くいらっしゃいます。それもそのはず、BURTONでは過去にSTEP INという類似システムをリリースしていましたが、ユーザーを満足させる完成度には程遠く、わずか2シーズンでお蔵入りに…。

STEP INの開発を担ったJASON BROWN(元BURTONライダーでCAPITA創設者の1人) は、SNSが未発達だった時代に個人のウェブサイトを開設し、いち早くセフルプロモーションを取り入れた事でも知られています。STEP INは、プロダクトとしては成功しませんでしたが、時代を先駆けるJASON BROWNらしいプロジェクトだったことは確かです。

こうしてSTEP INの悲しい結末を目撃した僕たちは、それまで以上にストラップビンディングに信頼を置くようになったのです。

その為、STEP ONとして再登場したストラップレスビンディングに興味を持ちながらも、「飛びついてはいけない、レビューを待とう」と冷静な判断を下していました。

BURTON STEP ON 18-19
STEP ON 18-19MODEL

今回も黒歴史になるのではないか。そんな厳しい意見が飛び交う中、僕は初年度から堂々とSTEP ONを取り入れました。

BURTONが同じ失敗を繰り返すはずがないという信頼もありましたが、機能性や完成度を抜きに、ビジュアルが良いと思ったからです。

BURTON STEP ON 19-20
STEP ON 19-20MODEL

一方で、STEP INの悲劇を知らない若いスノーボーダーには、画期的なニューアイテムとして響いているように感じます。

2シーズン連続完売、少なくともMOJANEが受け付けたクレーム件数はゼロ。

STEP ONは新しいプロダクトとしてのテイクオフに成功したと言えるでしょう。
ここからのSTEP ONがどんな風に発展し、僕たちをどう驚かせてくれるのか、期待が膨らみます。

STEP ONの試乗風景

STEP ONの未来予想図

昨今、アジア圏を中心に、スノーボードを含む「ウインタースポーツ人口を大幅に増加させよう」という動きが盛んになっています。

そうした傾向から、誰もが簡単に使えるハードグッズはシェアをぐんぐん伸ばしていくだろうと予想しています。

上質な雪質を誇る日本のスノーリゾートでも、近い将来にはSTEP ONを導入したレンタルサービスが開始され、初心者やキッズ、身体が不自由な人も、誰もが楽しめるスポーツとなるかも知れません。また、手ぶらで世界各地のスノーリゾートへ向かう上級者だって増えるでしょう。

リフトを降りた後に、スキーヤーと同じテンポで滑り始められるという点でも、スキー、スノーボードの垣根を越えて仲間たちと過ごすゲレンデが楽しくなりそうです。

ユニバーサルデザインに一歩近づいたスノーボードギア、STEP ON。スノーボードの捉え方、遊び方も新時代へと向かっている様に感じます。

このニーズが増えていくと、未来のストラップバインディングは、アスリートやハードユーザーの為だけのものになってしまうのでしょうか…?それは少し寂しい気がします。

2020-2021シーズンには、DCの参戦も決定しているSTEP ON。今後、システムのパテントを買い取るメーカーが増えてくると噂されています。

その候補には、VANSやADIDASの名も挙がっているとか。個人的には、UNIONが出てくる事に期待しています。UNION STEP ON x CAPITAで、JASON BROWNをトリビュートするセッティングが見たいから!想像するだけでますます面白くなります。

COMMENT

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  1. レビュー大変参考になりました。
    質問なのですがSTEP ONのフォワードリーン調整はしたほうがよいですか?
    入れすぎてクリートの入りが悪いとかありますか?

    • moto さん
      ご覧いただきありがとうございます。
      STEP ONでも、フォワードリーンを入れると反応は早くなります。ピーキーなレスポンスを求める方にはおすすめです。
      クリートは若干入りづらくはなりますが、ストレスを感じるほどではないと思いますので、お好みの乗り味を探ってみてください。

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