REVIEWウェットスーツサーフィン4ディメンション

4Dimensions|最新ウェットスーツREALIZER SPを大解剖

4D多田さんに聞く、運動性と着脱に特化したフロントジップについて

4Dimensionsの自信作、REALIZER SP

“Made by Surfer for Surfer”をスローガンに、アイディア溢れるウェットスーツを提案する国内ブランド4Dimensions(フォー ディンメンションズ)から、運動性能と着脱に特化したニューモデルREALIZER SPが到着しました。

4Dimensionsが提案するこのフロント・ジップは、2017/SS(春夏)レイトモデルとして発表され、来る2017/FW(秋冬)でもリリースが決まっています。

今回は、4Dimensionsの営業担当、多田さんにお話を伺いながら、REALIZER SPについて詳しくご紹介します。

REALIZER SP FOCUS POINT

①体型を選ばずに誰でも簡単に着脱が出来る。
②誰でも安全、簡単にセットアップが出来る。
③着用時のストレスを感じさせない。
④パドル時のストレスを感じさせない。
※ドライネックだけでなくシングルネックの選択が可能です。

常識を覆すフロント・ジップ

4Dimensions REALIZER SP

右肩から左肩まで。ここまで胸元が大きく開く長いジップをウェットスーツで見たことはありませんでした。

4Dimensionsの新作フロント・ジップの最大の特徴は、スピーディな着脱です。様々なタイプのウェットスーツに袖を通してきた方ほど、その着やすさに驚くと思います。ウェットスーツを着慣れていないサーフィン初心者の方にもお勧めです。

REALIZER SP開口部1
開口部が大きく着脱しやすい!
REALIZER SP着用
フロントジップをガバッと開けて脱ぎます。

新テクノロジー
ストレッチコイルファスナー

4Dimensions REALIZER SPファスナ

胸部にジップがあるデザインはゴワつくのでは?と思う人もいるかもしれません。

REALIZER SPのジップは、伸縮性のあるストレッチコイルファスナーを使用しています。その名の通り、伸縮しながら滑らかに動くファスナーなので、着脱時やサーフィン中の身体の動きに全く影響はありません。

REALIZER SPストレッチコイルファスナー
SSモデルでファスナーからの浸水はありませんでした。

このストレッチコイルファスナーを採用する迄には大変な苦労があったそうです。4Dimensionsの縫製を担う工場XUMAの佐藤工場長にとって”ラバー”は専門分野ですが、ストレッチ・コイル・ファスナーとの組み合わせには苦戦したそうで、様々なシール方法で試作を繰り返し、入念なテストを行って完成させたとの事でした。

圧迫なく首に密着。
浸水を防ぐエクストラネックホールド

4Dimensions REALIZER SPネック

ウェットスーツの多くは、首からの浸水を防ぐために長いネックを2重に折り込む、という仕様が主流です。4D歴代モデルも同様で、防水性は高いのですが、同時に首への圧迫感がありました。

4Dimensions REALIZER SPエクストラネックホールド
ストレスのない首回り。

REALIZER SPではその点も大幅に改善しています。ジャージ素材の裏面にラバー加工を施すことで、1枚の生地でありながら首と密着して浸水を防ぎます。”エクストラネックホールド”と呼ばれるこの構造は、高コストで多くの工程を必要としますが、ウェットスーツの更なる進化となりました。

柔らかく軽い注目の新素材OPT

4Dimensions REALIZER SPオムニポテント
新素材OMNIPOTENT、通称OPT

4Dimensionは素材開発にも力を注いでいます。全能と名付けられた新素材OPTこと”OMNIPOTENT(オムニポテント)”は、僕が着用したウェットスーツ史上最も柔らかく、そして軽い!柔軟性が高いので着用時も動きやすく、着替えの際はするすると脱ぐ事が出来ます。

保温性は夏の北海道では暑い位です。現在ウェットスーツのオーダーをご検討中の方は、是非MOJANE店頭で僕のスーツをチェックしてみてください。

4Dimensions REALIZER SPオムニポテント
乾きが早いOPT

僕はサーフィンの休憩時には出来るだけウェットスーツを脱ぐようにしています。ウェットスーツの圧迫から身体を解放してリラックスするためです。
REALIZER SPは素早く着替えが出来ますし、OPT素材は乾きが早いです。休憩毎にスーツを干したり、2ラウンド目の準備にもストレスがありません。濡れたウェットスーツで休憩するよりも、疲労が軽減されます。

4Dimensions REALIZER SP
股の広がりを補強するVシステム。
4Dimensions REALIZER SPシルエット
シンプルなデザインでシルエットもスッキリ。

INTERVIEW 4Dimensions

4Dimensionsカタログ

REALIZER SPの開発とポイント解説

誰もが”超EASY”に着脱できるウェットスーツを作りたかった。

moro : これまでも次々と画期的なウェットスーツを提案してきた4Dimensionですが、今回のニューモデルREALIZER SPは、どの様な経緯で出来上がったのですか?

tada : ここ数年、誰でも簡単に着脱できるスーツをテーマに開発していました。その1つが4年前にリリースしたノンジップタイプ(REALIZER ET)です。お陰様で4Dimensionsの人気No:1モデルになりました。実はその頃から、フロントジップの開発を進めていました。フロントジップ自体は業界では既にリリースされていましたが、4Dimensionとしては”妥協の無い商品作り”をモットーにしている為、決して急がずに試作を重ね、今回満を持してリリースする運びとなりました。厳重なテストをクリアして完成したウェットスーツがREALIZER SPです。

仙台のウェットスーツ工場XUMA
宮城県仙台石巻XUMA(キューマ)工場長の佐藤さん。

マテリアルだけでは辿り着けない4Dimensionsのテクノロジー

moro : 以前伺った4Dimensionsの工場XUMAでは、知識と経験、技術を必要とする緻密なウェットスーツ作りの現場を見学させていただきました。今回のREALIZER SPの機能性について、また、開発時のエピソードを教えてください。

tada :REALIZER SPでは、着脱のしやすさを実現するために様々な工夫が盛り込まれています。些細な点が防水性や保温性に影響するので、各箇所、納得がいくまで慎重にテストを行いました。素材はもちろん設計や縫製に至るまで、4Dimensionsの技術を集結しています。


4Dimensions REALIZER SP開口部
REALIZER SP 開口部

tada :まずは開口部。ストレッチコイルファスナーは防水ではない為、ウェットスーツの構造によって浸水を防いでいます。ファスナーから入った水は開口部を伝い、スーツ内に入る前にファスナーから素早く外に出る仕組みです。インナーネックや開口部を複雑に重ね合せていないので圧迫感が無く、丸首のシンプルなデザインにすることが出来ました。


4Dimensions REALIZER SP
REALIZER SPのファスナー位置

tada :ファスナーの取り付け位置や角度にも秘密があります。下側のファスナーとボディの接続部の内側に余分なスペースがあると、そこに水が溜まり防水性が低下します。ウェットスーツの浸水は体温の低下に繋がるので、位置や高さを変えて何度もテストしました。また、ファスナー位置が上過ぎると開口部が狭く着脱しづらくなり、下過ぎるとフラップとボディーの隙間に水が溜まり保温性がダウンしてしまいます。


4Dimensions REALIZER SPストレッチコイルファスナー
ストレッチコイルファスナー

tada :ストレッチコイルファスナーの伸縮率は10%程度。まっすぐ横に取り付けてしまうと、胸を張った時に伸びが止まってしまい肩や胸周りにストレスが生じます。そこで、ファスナーが体に沿うようにカーブさせて取り付ける事で伸び代を作り、動きやすくしています。また、ファスナー付近のパーツを減らし、ファスナーがしなやかに曲がるよう設計しています。


4Dimensions REALIZER SPエクストラシングルネック
エクストラシングルネック

tada :着脱しやすいもう1つの要素が”エクストラシングルネック”です。ファスナーの上から首までを1枚のパーツで形成することで、首の根元が大きく広がり、スムースに着脱できます。更に首の裏側には”リペールスキン”という滑りの良い素材を使用しており、着脱時に髪の毛が引っかかりません。また、密着性が高く防水性にも優れています。
※防水性ではドライネックの方が優れているので、防水性を重視する方にはドライネックをお勧めします。

仙台石巻の工場XUMA

moro : 最後に、REALIZER SPに搭載されたシステムの数々は今後の4Dimensionsのスタンダードになっていくのでしょうか?

tada :申し訳ありませんが、この質問に関しましては企業秘密なのでお答え出来ません。どうぞ今後を楽しみにしていてください。


4Dimensions
4Dimensions多田さん
4Dimensionsの多田さん

4Dimensionsは、XUMA工場長佐藤さんとのリレーションシップで、斬新なアイディアとクオリティ、ウェットスーツに対する情熱を武器に業界をリードしてきました。

今では多くのブランドが製品化しているネックエントリー(首の部分から着るタイプのウェットスーツ)も、実は4Dimensionsが発案したものです。当時多田さんはハワイの大波で首を負傷した経験から、首に負荷がかからないスーツ作りに専念したそうです。

ウェットスーツを着ていてもノンストレスで動けるように、というこの提案は、世界中のサーファーを驚かせました。また、その品質と技術力の高さには定評があり、過去にはYES NOW BOARDのクルー達が4Dimensionsのウェットスーツをオーダーしています。

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